あん摩マッサージの施術は免許が必要です

医師以外の方が、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復の施術所等において、あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゅう及び柔道整復を業として行おうとする場合には、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和22年法律第217号)において、それぞれ、あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許又はきゅう師免許を、柔道整復師法(昭和45年法律第19号)においては、柔道整復師免許を受けなければならないと規定されており、無免許でこれらの行為を業として行ったものは、同法により処罰の対象になります。

厚生労働省としましても、都道府県等関係機関と連携して、無資格者によるあん摩マッサージ指圧業等の防止に努めているところであります。

あん摩マッサージ指圧及び柔道整復等の施術を受けようとする皆様におかれましては、こうした制度の内容を御理解いただき、有資格者による施術を受けていただきますようお願いいたします。

厚生労働省医政局医事課(関係通知)

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マッサージとは?

施術者の体重をかけて対象者が痛みを感じるほどの相当程度の強さをもって行うなど、あん摩マッサージ指圧師が行わなければ、人体に危害を及ばし、又は及ぼすおそれのある行為については、同条のあん摩マッサージ指圧に該当するので、無資格者がこれを業として行っている場合には、厳正な対応を行うようお願いする。

また、同条のあん摩マッサージ指圧が行われていない施術において、「マッサージ」と広告することについては、あん摩マッサージ指圧師でなければ行えないあん摩マッサージ指圧が行われていると一般人が誤認するおそれがあり、公衆衛生上も看過できないものであるので、このような広告を行わないよう指導されたい。

平成15年11月18日付
厚生労働省医政局医事課長の回答(長崎県福祉保健部長の問い合わせに対して)

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健康保険制度と鍼灸マッサージのQ&A

皆さんは鍼灸マッサージ治療は健康保険でかかれるということをご存じですか。

今まで、鍼灸業界も保険者(保険組合等)もあまり宣伝していませんでしたのでご存じない方も多いと思います。

健康保険による鍼灸マッサージは、健康保険法の療養費制度(第44条の2項)に基づいており、一般の保険医療機関での治療と同じで国の社会保障制度の中で国民が享受できる当然の権利です。

「鍼灸マッサージの治療を受けたいけれど、高額の自由料金では続けられない。」という人をはじめ、多くの人々が鍼灸マッサージの保険治療の恩恵に浴することになるでしょう。

出展:鍼灸保険情報センター

以下、鍼灸マッサージの保険についてQ&A形式で解説させていただきます。

鍼灸はどういう病気に対して健康保険がきくのですか?

慢性の痛み疾患に健康保険がききます。

具体的にはどういう病名ですか?

①神経痛、②リウマチ、③頚腕症候群、④五十肩、⑤腰痛症、⑥頸椎捻挫後遺症の6疾患です。

それぞれの病名をわかりやすく説明して下さい。

①神経痛は、病気の範囲が広いので、身体のあらゆる場所の慢性的疼痛に適用され得ます。
②リウマチは、かなり限定された疾患ですから、病院にてリウマチと診断されたものに限ります。
③頚腕症候群は、かなり解釈の広い疾患です。頚部(首)、肩関節、上肢(腕)の筋肉や靭帯から発生する痛みなどはほとんどこの病名の範囲にあります。症状としては頚、肩、腕の痛み、こり感、しびれ感、重だるさなどです。
④五十肩は、これも限定された病名です。40代~50代、希に60代にみられる肩関節の疼痛疾患で、特徴的な症状は、腕に痛みがあり、上がらない(挙上困難)、帯を腰の後ろで結ぶ動作が出来ない(結帯動作困難)、髪の毛を頭の後ろでさわれない(結髪動作困難)。また夜間に肩関節から腕が痛み眠られない人もいます。
⑤腰痛症は、頚腕症候群と同じく範囲の広い疾患です。特に筋肉、靭帯による疼痛に対し鍼灸は著効を示します。
症状は腰の痛み、重だるさ、下肢への関連痛等ほとんどの老化による痛みはこの病名でくくられるものです。
⑥頸椎捻挫後遺症は、いわゆるむち打ち症の後遺症です。

健康保険で治療を受けるには何かきまりがありますか?

医師の同意書が必要です。

同意書用紙はどこにありますか?

健康保険治療に対応している鍼灸院にあります。

鍼灸院から同意書用紙をもらって、医師に書いてもらうのですか?

そうです。鍼灸院から同意書用紙をもらって、医療機関(病院・診療所等)に行って医師に症状を話して、同意書用紙に書き込んでもらいます。

医師の同意書を鍼灸院に持ってこないと保険治療は受けられないのですか?

はい。患者さんを治療した後、鍼灸院が治療費を保険者(保険組合等)に保険請求するときには、同意書を添付しなければならないことになっています。
同意書を添付しないで保険請求すると、請求は認められず、全額不支給になります。

同意書を発行されたらすぐに保険でかかれますか?

はい。今まで6ヶ月間65回までという制限がありましたが、2002年の6月から、施術の期間、回数の制限無しで健康保険治療をお受け頂くことが可能となりました。

マッサージはどういう病気に対して健康保険が効くのですか?

マッサージの健康保険対象は、診断名での治療ではなく、症状による治療です。
①「筋麻痺」
②「関節拘縮」
です。

マッサージの対象は具体的にどういう病気ですか?

骨折や手術後の障害や脳血管障害、例えば脳梗塞などの後遺症などが対象です。
関節が硬くて動かない、又は動きが悪い、筋肉が麻痺して、自由に動けない等が健康保険の対象です。

マッサージには期間制限、回数制限はありますか?

原則としてありません

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厚生労働省事務連絡「留意事項の一部改正に伴う疑義解釈」について

はり、きゅう及びあん摩・マッサージの施術に係る療養費の取扱いについては、「「はり師、きゅう師及びあん摩・マッサージ・指圧師の施術に係る療養費の支給の留意事項等について」の一部改正について」(平成29 年6月26 日保医発0626 第3号)等により、平成29 年7月1日より実施することとしているところであるが、今般、その取扱い等に係る疑義解釈資料を別添のとおり取りまとめたので、関係者に周知を図るとともに窓口での相談対応等にご活用いただき、個々の事案の状況により判断する際の参考とされますようお願いいたします。

鍼灸・マッサージに係る療養費関係

【支給申請書関係】

(問 1) 療養費支給申請書の施術証明欄については、施術者が記載することになっているが、当該欄については「上記の通り施術を行い、その費用を領収しました。」とある。
施術を行った者とは別の者が施術費用の収受を行っており、施術を行った者において施術費用を領収したことを証明できない場合については、施術所の代表者が代わりに証明を行っても差し支えないか。

(答) 施術証明欄は施術を行った者による施術内容の証明欄として設けられているため、本来、施術を行った者が証明するものであるが、当該欄については、同時に施術費用を領収したことを証明する欄でもあるため、当該施術を行った者において施術費用を領収したことを証明することができない場合は、施術所の代表者(有資格者に限る。)もしくはこれに準ずる立場にある有資格者が代わりに証明を行っても差し支えない。この場合、実際に施術を行った施術者氏名が確認できるよう摘要欄(備考欄)に記載するか、それを証する書類を添付するようにされたい。(「はり師、きゅう師及びあん摩・マッサージ・指圧師の施術に係る療養費の支給の留意事項等について」(平成16年10月1日保医発第1001002号。以下「留意事項通知」という。)別添1第8章の1、別紙4/別添2第7章の1、別紙4)

(問 2) 一つの療養費支給申請書で複数月にまたがる療養費の支給申請を行うことは認められるか。

(答) 認められない。(留意事項通知別添1第8章の3/別添2第7章の3)

(問 3) 同一月に複数の施術所で施術を受けた場合の療養費の支給申請方法は如何か。

(答) 施術所単位で支給申請を行う。(留意事項通知別添1第8章の4/別添2第7章の4)

(問 4) 同時に複数の施術所で施術を受け、それぞれ療養費の支給申請を行うことは認められるか。

(答) 必ずしも制限されていないが、患者の疾病管理上望ましいこととは言えず、例えば、施術所の休診日等の関係で、複数の施術所で施術を受ける必要があるなど、やむを得ない事情がある場合を除き、保険者において患者に対する指導等を行う必要があると考える。(留意事項通知別添1第8章の4/別添2第7章の4)

(問 5) 同一の患者に対して、同一月内に複数の施術者がそれぞれ施術を行った場合、療養費支給申請書の施術証明欄は、誰が記載するのか。

(答) 当該患者に対して、中心的に施術を行った施術者が代表して記載する。なお、施術者ごとの施術日が分かるように、それぞれの施術者氏名とその施術日について、摘要欄(備考欄)に記載するか、それを証する書類を添付するものとする。 (留意事項通知別添1第8章の4、別紙4/別添2第7章の4、別紙4)

(問 6) 同一の患者に対して、同一月内に複数の施術者がそれぞれ施術を行った場合において、それぞれの施術者氏名とその施術日について、療養費支給申請書の摘要欄に記載する場合、どのように記載したらよいか。

(答) 下記記載例を参考に記載されたい。なお、あくまで参考例であり、保険者において、記載要領等によりこの場合における記載方法等を独自に定めている場合は、保険者が定める記載方法等により取り扱うこととして差し支えない。
(留意事項通知別添1第8章の4、別紙4/別添2第7章の4、別紙4)

(記載例) 当該患者に対して施術を行った日が、2,9,16, 23,30 日であり、
あはき一郎とあはき二郎が分担して施術を行った場合

摘 要

あはき 一郎
2,9,23 日
あはき 二郎
16,30 日

【1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書関係】

(問 7) 施術継続中の患者で、途中で施術所を変更している患者の場合、初療の日から1年の起算日は、いつになるのか。

(答) 初療の日については、施術所単位で考える。
(留意事項通知別添1第8章の5、別紙5/別添2第7章の5、別紙5)

(問 8) 1月間の施術回数は、暦月を単位とするのか。

(答) そのとおり。(留意事項通知別添1第8章の5、別紙5/別添2第7章の5、別紙5)

(問 9) 同一月に複数の施術所で施術を受けている場合の施術回数の考え方は、如何か。

(答) 施術所単位で支給申請を行う。(留意事項通知別添1第8章の4/別添2第7章の4)

(問10) 初療の日から1年を経過していない患者であっても、1月間の施術回数が16回以上の場合、1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書を療養費支給申請書に添付しなければならないのか。

(答) 初療の日から1年以上経過している患者であって、かつ、1月間の施術回数が16回以上の患者が対象であるため、添付の必要はない。
(留意事項通知別添1第8章の5、別紙5/別添2第7章の5、別紙5)

(問11) 月の途中で初療の日から1年を経過する場合の1月間の施術回数の考え方は如何か。

(答) 月の途中で初療の日から1年を経過する場合においては、当該月における初療の日から1年を経過した日以降に行われた施術回数が16回以上か否かで考える。
例えば、初療の日が前年の7月10日であれば7月10日に「1年を経過した」こととなるため、7月10日から7月31日の間に16回以上の施術が行われれば、1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書を療養費支給申請書に添付することとなる。
(留意事項通知別添1第8章の5、別紙5/別添2第7章の5、別紙5)

(問 12) 初療の日から1年を経過して、毎月16回以上の施術を受けている患者の場合、毎月、1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書を施術者に記入してもらい、療養費支給申請書に添付する必要があるのか。

(答) そのとおり。(留意事項通知別添1第8章の5、別紙5/別添2第7章の5、別紙5)

(問13) 初療の日から1年を経過している患者であって、普段は月に16回未満の施術回数である患者が、急性増悪等により、1月間の施術回数が16回以上になった場合であっても、1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書を施術者に記入してもらい、療養費支給申請書に添付する必要があるのか。

(答) そのとおり。(留意事項通知別添1第8章の5、別紙5/別添2第7章の5、別紙5)

(問 14) 毎月の療養費支給申請書について、1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書を添付するにあたり、毎月施術者に患者の状態の評価を行ってもらう必要があるのか。

(答) 1月間の施術回数が16回以上となる月については、原則として毎月施術者に患者の状態の評価を行ってもらう必要がある。
(留意事項通知別添1第8章の5、別紙5/別添2第7章の5、別紙5)

(問15) 1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書については、当該月に施術を受けた施術者に記入してもらう必要があるのか。

(答) 記入を求める施術者は、原則として当該月に施術を受けた施術者とする。ただし、休職・退職・転勤・長期不在である等、当該施術者に記入を求めることができない場合には、当該月に施術を受けた施術所の他の施術者による記入であっても差し支えない。この場合、代わりに記入することとなる施術者に、当該月に施術を受けた施術者が記入できない理由についても、併せて記入してもらうこととする。また、閉院等により、記入を求めること自体が困難な場合は、申請者(被保険者等)から1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書を添付できない理由として、その旨の申し出があれば、支給申請書を受理して差し支えない。(留意事項通知別添1第8章の5、別紙5/別添2第7章の5、別紙5)

(問16) 同一の患者に対して、同一月内に複数の施術者がそれぞれ施術を行った場合、1年以上・月16回以上施術継続療養費支給申請書は、誰が記入するのか。

(答) 当該患者に対して、中心的に施術を行った施術者が代表して記入することでよい。
(留意事項通知別添1第8章の5、別紙5/別添2第7章の5、別紙5)

(問17) 1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書について、「患者の状態の評価」と「月16回以上の施術が必要な理由」を別々の施術者が記入してもよいか。

(答) 患者の状態の評価を行う施術者が月16回以上の施術の必要性についても判断すべきであることから、必ず患者の状態の評価を行った施術者に評価内容と併せて月16回以上の施術が必要な理由の記入を受ける必要がある。
(留意事項通知別添1第8章の5、別紙5/別添2第7章の5、別紙5)

(問18) 1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書については、当該月の施術回数が確定した後で施術者に記入を受けなければならないのか。

(答) あらかじめ当該月に16回以上の施術が予想される場合は、月の途中であっても差し支えない。なお、この場合、施術回数の欄については、当該月の施術回数の確定後に改めて施術者に記入を受ける必要がある。
(留意事項通知別添1第8章の5、別紙5/別添2第7章の5、別紙5)

(問19) 1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書に記載する評価日については、当該書類を記入した日付を記載するのか。それとも実際に患者の状態の評価を行った日付を記載するのか。

(答) 実際に患者の状態の評価を行った年月日を記載する。なお、当該書類の施術者氏名を記載する証明欄の日付については、当該書類を記入した年月日を記載するものであり、評価日と証明欄の日付は、必ずしも一致するものではない。
(留意事項通知別添1第8章の5、別紙5/別添2第7章の5、別紙5)

(問20) 1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書の添付は、写しの添付でもよいか。

(答) 原本を添付する必要がある。
(留意事項通知別添1第8章の5、別紙5/別添2第7章の5、別紙5)

(問21) 1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書に記載する施術者の氏名について、署名である場合、押印を省略してもよいか。

(答) 施術者による署名の場合、押印を省略して差し支えない。記名の場合は、押印が必要である。(留意事項通知別添1第8章の5、別紙5/別添2第7章の5、別紙5)

(問22) 1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書に記載する項目について、療養費支給申請書(別紙4)の記載項目と重複する項目があるが、当該重複する項目について記載を省略してもよいか。

(答) すべての項目について記載するようにされたい。
(留意事項通知別添1第8章の5、別紙5/別添2第7章の5、別紙5)

(問23) 初療の日から1年以上経過している患者であって、1月間の施術回数が16回以上の患者について、療養費支給申請書に1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書の添付がない場合の取扱いは如何か。

(答) 1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書の添付がない場合、申請書の不備として返戻を行い、速やかに療養費支給申請書への添付を求めるようにされたい。また、申請日時点において当該月に対する患者の状態の評価が行われていない場合であっても、このことを理由として不支給とする取扱いとはせず、返戻後、速やかに施術者に患者の状態の評価を受け、再申請を求めるようにされたい。なお、1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書の患者の状態の評価を記載させる目的は、厚生労働省において疾病名と合わせてその結果を分析したうえで、施術回数の取扱いについて検討することにあり、現時点の取扱いとして、患者の状態の評価の内容により支給の可否の判断を行うものではないことに留意されたい。
(留意事項通知別添1第8章の5、別紙5/別添2第7章の5、別紙5)

(問24) 1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書に記載された、月16回以上の施術が必要な理由についての判断に疑義が生じた場合の取扱いは如何か。

(答) 記載された月16回以上の施術が必要な理由の内容のみをもって、療養費の支給の可否を判断する取扱いは適当でなく、改めて施術者や患者への照会等を行ったうえで適切に支給の可否を判断されたい。(留意事項通知別添1第5章の3)

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厚労省、あはき施術に係る療養費の取扱いについてのQ&Aを発表

厚労省保険局医療課(事務連絡) 厚生労働省保険局医療課は、平成24年2月13日付で「はり、きゅう及びあん摩・マッサージの施術に係る療養費の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について」を発表した。 疑義解釈資料は、鍼灸(別添1)とマッサージ(別添2)の療養費について、それぞれ「療養費の算定関係」「同意書関係」「往療料関係」に関する様々な質問に答えたQ&A形式になっている。以下に詳細を記します。

マッサージに係る療養費関係(別添2)

【療養費の算定関係】

(問 1) マッサージの施術に係る療養費の支給対象はどのようなものか。

(答) 療養費の支給対象となる適応症は、一律にその診断名によることなく筋麻痺・関節拘縮等であって、医療上マッサージを必要とする症例について支給対象とされており、脱臼や骨折はもとより、脳出血による片麻痺、神経麻痺、神経痛などの症例に対しても医師の同意により必要性が認められる場合は療養費の支給対象となる。(「はり師、きゅう師及びあん摩・マッサージ・指圧師の施術に係る療養費の支給の留意事項等について」(平成16年10月1日保医発第1001002号 厚生労働省保険局医療課長通知 以下「留意事項通知」という。)別添2第2章)

(問 2) マッサージに係る療養費の算定部位はどのような単位になっているか。

(答) 頭から尾頭までの躯幹、右上肢、左上肢、右下肢及び左下肢をそれぞれ1単位として、最大5箇所となっている。(留意事項通知別添2第4章の2)

(問 3) マッサージの施術において、傷病名で療養費の支給の可否が判断されることがあるか。

(答) マッサージの施術については、療養費の支給対象となる傷病名を限定していないため、筋麻痺や関節拘縮等であって、医療上マッサージを必要とする医師の指示または同意により判断されるものである。(留意事項通知別添2第2章)

(問 4) 変形徒手矯正術の最大算定局所(部位)数は、何肢となるか。

(答) 左右の上肢、左右の下肢で最大4肢の算定が可能である。(留意事項通知別添2第4章の5)

【同意書関係】

(問 5) 同意書でなく診断書でも取り扱いは可能か。

(答) 病名・症状(主訴を含む)及び発病年月日が明記され、保険者において療養費の施術対象の適否の判断ができる診断書であれば、同意書に代えて差し支えないこととしている。

ただし、脱臼又は骨折に施術するマッサージ及び変形徒手矯正術については、医師の同意書により取り扱うこととされている。(留意事項通知別添2第3章の1~4)

(問 6) マッサージと鍼灸、それぞれ別々の疾患で同意書の交付を受けたが、両方とも算定は可能か。

(答) 同一病名または症例でなく、それぞれ施術を行った場合はそれぞれ要件を満たせば算定可能である。

(問 7) 施術継続中の患者の保険者に変更があった場合、新たに同意書を再発行して貰わなければならないのか。

(答) 被保険者又は変更後の保険者が同意書の写しを変更前の保険者に請求した場合は、請求を受けた変更前の保険者は速やかに交付しなければならないこととしているので、患者が保険医に同意書の再発行を依頼する必要はない。(留意事項通知別添2第7章の4)

(問 8) 再同意を得る場合、必ず医師の診察が必要か。

(答) 医師の判断により診察を必要とせず再同意が与えられる場合もあるが、医師が再同意を与える際に診察が必要と判断された場合等は、その指示に従っていただきたい。

なお、施術者が患者に代わって再同意の確認をしても差し支えないこととしているので、この場合も同様に取り扱われたい。(留意事項通知別添2第3章の6)

(問 9) 整形外科医以外の医師の同意書は有効か。

(答) 「同意を求める医師は、原則として当該疾病にかかる主治の医師とすること。」とされており、整形外科医に限定したものではなく、現に治療を受けている医師から得ることを原則としている。(留意事項通知別添2第3章の9)

(問10) 複数の医師が勤務する病院より同意書の発行を受け、その後再同意の時に担当医が変更となった場合、新たに同意書の発行は必要か。

(答) 同意書を発行した前任の医師から患者を引き継いだ担当の医師であれば、新たに同意書の発行の必要はなく、引き続きその医師より同意を得ればよい。

(問11) 施術を中止し、しばらくして再開する場合の同意の取り扱いは如何か。

(答) 療養費の支給可能期間(初療の日が月の15日以前の場合は当該月の翌々月の末日とし、初療の日が月の16日以降の場合は当該月の3カ月後の月の末日とする。)内であれば、当該同意書において再開は可能である。(留意事項通知別添2第3章の6)

(問12) 同意書に要加療期間の記載がない場合、いつまで継続できるのか。

(答) 加療期間の記載がない場合は、初療の日から3ケ月(初療の日が月の15日以前の場合は当該月の翌々月の末日とし、初療の日が月の16日以降の場合は当該月の3カ月後の月の末日とする。)としている。(留意事項通知別添2第4章の1)

(問13) 初療日より長期間に及んで再同意が行われている場合、その同意はいつまで有効か。

(答) 実際に医師から同意を得ていれば、その都度支給期間を延長して差し支えない。ただし、一定期間ごとに医師の診察を受けることが望ましい。(留意事項通知別添2第3章の6)

(問14) 変形徒手矯正術にかかる同意書の有効期間は何日か。

(答) 初療時の有効期間は初療の日から起算して1カ月であり、引き続き療養費の支給が必要な場合は新たに医師の同意書が必要となるが、この場合、前回の同意書の有効満了日からではなく、再同意日から起算して1カ月となる。(留意事項通知別添2第4章の1)

(問15) 再同意を得るにはどのような方法があるか。

(答) 再同意を得る方法について特に決まったものはないが、電話や口頭による確認 でも差し支えないこととしている。(留意事項通知別添2第3章の6)

(問16) 同意日から何日で施術開始するのが望ましいか?

(答) 施術の必要があるために同意していることから、同意が行われた後すみやかに開始するのが適当である。(2週間以内が望ましい。)

(問17) 医師の同意書作成から1カ月以上経過して施術を開始した場合、同意書の有効期間はどのように取り扱ったらよいか。

(答) 同意を受けてから施術が行われるまで相当の期間(1ヶ月以上)が開いている場合は、「初療の日」を同意書の起算日とするのではなく、「同意書作成日」を同意書の起算日とすることが適当である。

(問18)保険医療養担当規則第十七条で、「保険医は、患者の疾病又は負傷が自己の専門外にわたるものであるという理由によって、みだりに、施術業者の施術を受けさせることに同意を与えてはならない。」とは具体的のどのような事を指し示すのか。

(答) 医師が専門外である事を理由に診察を行わずに同意を行なう、いわゆる無診察同意を禁じたものである。医師の診察の上で適切に同意書の交付を行う事が求められる。

(問19)マッサージの同意は保険医療機関での一定期間の治療を行った後になされるべきものか。

(答) 医師の適切な診断を受け同意を受けたものであれば、治療の先行が条件とはならない。

(問20)同意を行った医師は施術結果に対しても責任を負うものか。

 (答) 同意した医師は施術に対する同意を行うものであり、施術結果に対して責任を負うものではない。

【往療料関係】

(問21)「歩行困難等、真に安静を必要とするやむを得ない理由等」とは、どのような理由を指すのか。

(答) 疾病や負傷のため自宅で静養している場合等、外出等が制限されている状況をいうものであり、例えば、循環器系疾患のため在宅療養中で医師の指示等により外出等が制限されている場合に認められる。したがって、単に施術所に赴くことが面倒である等の自己都合による理由は療養費の支給対象とならない。

また、全盲の患者や認知症の患者等、歩行は可能であっても、患者自身での行動が著しく制限されるような場合は、保険者等において通所できない状況等を個々に判断されたい。(留意事項通知別添2第5章の1)

(問22)公民館等に患者を集めて、そこに赴き施術した場合、往療料は算定できるか。

(答) 往療は、施術所に出向けない特段の理由のある者に対して実施するものであり、患者を公民館等に集めている場合は、往療料は算定できない。(留意事項通知別添2第5章の1)

(問23) 病院の入院患者に往療はできるのか。

(答) 保険医療機関に入院中の患者に対し、当該医療機関に往療した場合、患者が施術所に出向いてきた場合のいずれであっても療養費の支給はできない。(留意事項通知別添2第4章の6)

(問24)「定期的若しくは計画的に患家に赴いて施術を行った場合には、支給できないこと」の「定期的若しくは計画的」とは、どのようなものを指すのか。

(問24)は、平成28年10月1日からの適用を除外します。

(問25)往療の距離の算定において、「直線距離による支給が実態に比べ著しく不合理と考えられる場合は、合理的な方法により算出した距離によって差し支えないこと。」とあるが、「直線距離による支給が実態に比べ著しく不合理と考えられる場合」とは、どのような状態を指すのか。

(答) 施術所の所在地から患家の所在地までの間に大きく迂回しなければならない場所や難所がある場合等、直線距離により算定することが著しく不合理であることをいい、例えば、離島に出向いて施術を行う場合の往療料を直線距離で算定した場合、直線距離と実行程距離(船着き場を経由して離島へ到着するまでの距離)の間に大きな差が生じるため、このような場合は、保険者判断として実行程の算定も可とするものである。(留意事項通知別添2第5章の5)

(問26)往療の直線上の測定はどのような方法で行うのか。

(答) 往療の直線上の距離については、地図上で縮尺率を基に計測する方法が一般的に多く用いられている。(留意事項通知別添2第5章の5)

(問27)片道16kmを超える往療は、往療を必要とする絶対的な理由が必要であるが、「絶対的な理由」とは、どのような理由を指すのか。

(答) 「絶対的な理由」の例としては、患家の所在地から片道16km以内に保険医療機関や施術所が存在せず、当該患家の所在地に最も近い施術所からの往療を受けざるを得ない事情が存在するなどがあげられる。(留意事項通知別添2第5章の6)

(問28)往療の距離の起点は施術所の所在地でよいか。

(答) 往療を行った際の起点は施術所の所在地とするが、施術所を有さない施術者については、保健所等に届出されている住所地を起点としている。(留意事項通知別添2第5章の5)

(問29)片道16kmを超える往療で、絶対的な理由が乏しく、往療料が算定できない場合、施術料については算定できるのか。

(答) 施術料も算定できない。

(問30) 同一家屋内で複数の患者を施術した場合の往療料の考え方如何。

(問30)は、平成28年10月1日からの適用を除外します。

(問31) 同一家屋に複数の施術者が同時に訪問した場合の往療料については、それぞれ施術者ごとに算定できるのか。

(問31)は、平成28年10月1日からの適用を除外します。

(問32) 施術者が事前に施術を行う日を患者に伝えて患者の了承を得られた場合、往療料は算定できるのか。

(答) 往療料は、歩行困難等、真に安静を必要とするやむを得ない理由により通所して治療を受けることが困難な場合に、患家の求めに応じて患家に赴き施術を行った場合に支給できるものであり、そのような往療の認められる対象患家の求めに応じ事前に施術日の日程調整をして赴かなければならない個別の状況があると認められるのであれば往療料の算定は可能である。

(問33) 医療機関等へ付き添い等の補助を受けて通院している場合、また、歩行が不自由であるためタクシー等を使用して通院している場合等の状況において、マッサージに係る往療料は算定できるのか。

(答) 「独歩による通所」が可能であるか否か等を勘案し、個別に判断されたい。事例のケースをもって一律に施術所に通所可能又は通所不可として取り扱うのは適切ではない。

平成28年10月1日より適用する「往療料関連の新規疑義解釈」

(問 1) 平成28年10月1日からの留意事項の改正で、往療料の支給要件の一つである、治療上真に必要があると認められる場合中に、「定期的・計画的に行う場合を含む。」ことが明記されたが、取扱いに変更があったのか。

(答) 従前から、往療料は、①通所して治療を受けることが困難であること、②患家の求めがあること、③治療上真に必要があること、の3つの要件を満たしている場合に支給できるものとされており、通所して治療を受けることが困難な患者に対して、患家の求めがあって、治療上真に必要があると認められる場合に定期的・計画的に行う往療については、これまでも往療料の支給対象としていたところである。今回の改正は、留意事項にこれを明記することで、この取扱いを改めて明確にしたものである。また、治療上真に必要があると認められない場合の往療や、単に患家の求めに応じた場合の往療、患家の求めによらず定期的・計画的に行う場合の往療については、往療料の支給対象外であることを明確にし、併せて周知することとしたものであり、これにより従前の取扱いに変更があったわけではない。(留意事項通知別添1第6章の2)

(問 2) 「治療上真に必要があると認められない場合」とは、どのような場合を指すのか。

(答) 「治療上真に必要があると認められない場合」とは、例えば、定期的・計画的に往療を行う必要がない患者であるにもかかわらず、往療を定期的・計画的に行う場合等をいう。定期的・計画的に往療を行う必要があるかどうかの判断は、患者の症例が、他職種とも連携しながら、定期的・計画的に往療を行うことが望ましい症例であるか否か等を勘案し、個別に判断されたい。

(留意事項通知別添1第6章の2)

(問 3) 同一の建物に居住する複数の患者を同一日に施術した場合の往療料の考え方は如何か。

(答) 同一の建物内に居住する複数の患者を同一日に施術した場合の往療料は、原則として別々に算定するのではなく、1人分の往療料のみが算定できることとしている。(最初から按分して算定することはできないものである。)(留意事項通知別添1第6章の6)

(問 4) 同一の建物に午前と午後等、2回以上に分けて赴き患者を施術した場合、それぞれの訪問に対して1人分の往療料を算定できるのか。

(答) 患家の求めに応じて往療を行った後、その建物に居住する患者から、急な往療の求めがあり、治療上真に必要があって、再度同一の建物に赴いて施術した場合や、患者側のやむを得ない理由等により、同一の建物に複数回赴いて施術した場合など、同一建物への複数回の訪問がやむを得ないものと認められる場合は、それぞれの訪問に対して1人分の往療料を算定して差し支えない。単に施術者側の都合で2回以上に分けて訪問した場合などについては、訪問回数にかかわらず、同一建物について1人分の往療料しか算定できない。(留意事項通知別添1第6章の6)

(問 5) 同一の建物において、複数の施術者が同時に訪問した場合の往療料については、それぞれ施術者ごとに算定できるのか。

(答) 患者側のやむを得ない理由等により、同一の建物において、複数の患者をそれぞれ複数の施術者が施術を行った場合の往療料は、それぞれの施術者ごとに算定可能である。

(留意事項通知別添1第6章の6)

(問 6) 同一敷地内又は隣接地に棟が異なる建物が集まったマンション群や公団住宅等の場合の同一建物の考え方は如何か。

(答) それぞれの棟ごとに、別の建物として取り扱う。(留意事項通知別添1第6章の6)

(問 7) 外観上明らかに別の建物であるが、渡り廊下で繫がっている場合、同一の建物として取り扱うのか。

(答) 外観上明らかに別の建物であり、それぞれの建物が渡り廊下のみで繫がっているような場合は、それぞれ別の建物として取り扱う。(留意事項通知別添1第6章の6)

事務通達 平成29年2月28日

【通則関係】

(問1) 法律上、療養費については保険者が認めた場合に支給することができるものとされているが、一方で療養費の取扱いに係る各種の通知等が発出されている。法律の規定とこれらの通知等との関係はどのように考えたらよいか。

(答) 療養費の支給の可否を決定するのは保険者であるため、支給決定に当たっての最終的な判断は保険者に委ねられているが、療養費の支給は療養の給付の補完的役割を果たすものであり、保険者ごとにその取扱いにおいて差異が生じないよう、取扱い指針としての支給基準等を国が通知等により定めているところである。その趣旨をご理解いただいた上で、通知等に沿った適切な取扱いを行っていただきたい。

(問2)「施術者に対しては、本留意事項の周知を図り、連携して円滑な運用に努めること」とあるが、具体的にはどのようなことか。

(答)例えば、講習会等の場で留意事項についての周知を図り、施術者に対して、患者の施術前に療養費制度の趣旨やルールについて説明してもらうようにすることなどが考えられる。なお、講習会等の実施に当たっては、必要に応じて施術者団体等に協力を求めるなど円滑な実施に努められたい。(「はり師、きゅう師及びあん摩・マッサージ・指圧師の施術に係る療養費の支給の留意事項等について」(平成16年10月1日保医発第1001002号。以下「留意事項通知」という。)別添2第1章の3)

(問3) 「請求のあった療養費は、適正な支給を確保しつつ速やかに支給決定するよう努めること」とあるが、「速やか」とは、具体的にどのくらいの期間を指すか。

(答)具体的に「何日以内」と確定的に期限を示すものではないが、可能な限り速く支給決定するよう保険者に対して求めたものである。(留意事項通知別添2第1章の4)

【医師の同意関係】

(問4)療養費支給申請書には、毎回同意書の写しを添付する必要があるか。

(答)療養費の支給が可能とされる期間内における2回目以降の請求にあっては、その添付を省略して差し支えない。なお、変形徒手矯正術については、初療の日又は再同意日から起算して1ヶ月を超える場合は、改めて同意書の添付を必要とする。(留意事項通知別添2第3章の5、第4章の1)

(問5)支給申請書に記載する再同意の日付については、いつの日付を記載するのか。

(答)再同意の日付については、実際に医師が再同意を行った年月日を記載する。(留意事項通知別添2第3章の6、第4章の1)

(問6)初回に取得した同意書に基づく支給可能期間が終了した後、一定日数経過後に医師の再同意があった場合には、改めて同意書を添付することが必要か。

(答)支給可能期間終了後、再同意取得までの間の施術に対する療養費の支給は当然認められないが、支給申請書に再同意に関する記載が適切になされており、再同意日以降の施術が前回療養費の支給対象とした施術から継続して行われているものと客観的に認められると保険者が判断した場合は、再同意書の添付がなくても再同意日以降の施術に対する療養費を支給して差し支えない。ただし、変形徒手矯正術については、改めて同意書の添付を必要とする。(留意事項通知別添2第3章の6、第4章の1)

(問7)同意書の様式について、保険者の判断により項目を追加することは可能か。

(答)必要に応じて保険者において基準として掲げた項目以外の項目を追加することは差し支えないが、あくまで支給の可否を判断するうえで必要な項目に留めるべきであり、また医師が回答できる範囲とすべきである。なお、保険者独自の様式を使用しないことのみをもって不支給とすることや返戻を行うべきではない。(留意事項通知別添2第3章の7、別紙2)

(問8)「保険者が同意医師に対し行う照会等は、必要に応じて行われるべきものであること」とあるが、具体的にはどのようなことか。

(答)例えば、療養費の適正給付のために保険者が同意内容を確認する必要がある場合を指す。(留意事項通知別添2第3章の7)

【療養費の算定関係】

(問9) 療養費の支給にあたり患者への照会を行うことは差し支えないか。

(答)療養費の支給の可否にかかる判断に疑義が生じた場合等、必要に応じて患者に対して照会等を行い、療養費の適正な支給を行うよう努められたい。ただし、患者照会等にあたっては、支給決定がいたずらに遅れることがないよう、審査上、不必要な事項についての照会や患者や施術者にとって過度の負担となるような内容での照会は避けるなどの配慮をされたい。(健康保険法第59条・国民健康保険法第66条・高齢者の医療の確保に関する法律第60条、留意事項通知別添2第1章の4)

【往療料関連】

(問10)特別養護老人ホーム等の施設に赴いた場合に往療料は算定できるか。

(答)特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、ケアハウス、グループホーム等の施設に入所している患者に対する往療に関しては、往療料の支給基準を満たす患者であれば、算定して差し支えない。老人保健施設、介護療養型医療施設に往療を行った場合は往療料のみならず、施術料も算定できない。(留意事項通知別添2第5章の7)

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鍼灸に係る療養費関係(別添1)

【療養費の算定関係】

(問 1) 鍼灸の施術に係る療養費の支給対象はどのようなものか。

(答) 療養費の支給対象となる疾病は、慢性病であって医師による適当な治療手段がないものとされており、主として神経痛、リウマチなどであって類症疾患については、これら疾病と同一範ちゅうの疾病(頸腕症候群、五十肩、腰痛症及び頸椎捻挫後遺症等の慢性的な疼痛を主症とする疾患)に限り支給の対象とされている。

「はり師、きゅう師及びあん摩・マッサージ・指圧師の施術に係る療養費の支給の留意事項等について」(平成16年10月1日保医発第1001002号 厚生労働省保険局医療課長通知 以下「留意事項通知」という。)別添1第2章の1)

(問 2) 初診の診察のみで発行された6疾病(神経痛、リウマチ、頸腕症候群、五十肩、腰痛症及び頸椎捻挫後遺症)の同意書の場合、療養費の支給対象としてよいか。

(答) 6疾病については、保険医より同意書の交付を受けて施術を受けた場合は、医師による適当な手段のないものとして療養費の支給対象として差し支えない。(留意事項通知別添1第2章の2)

(問 3)6疾病以外の病名の同意書又は診断書が提出された場合、どのような病名が療養費の支給対象となるのか。

(答) 6疾病以外の病名であっても、慢性的な(必ずしも慢性期に至らない場合もある。以下同じ。)疼痛を主症とする疾患であれば療養費の支給対象としても差し支えないが、症状(主訴を含む。)の記載内容等から医師による適当な治療手段のないものかを判断し、支給すべきである。(留意事項通知別添1第2章の3)

(問 4) 電療料の1電気針、2電気温灸器、3電気光線器具は、それぞれ行ったとしてもそれぞれ加算できないのか。

(答) 電療料は1~3の器具を用いたとしても1回分のみの加算ができることとなっている。「はり師、きゅう師及びあん摩・マッサージ・指圧師の施術に係る療養費の支給について」(平成4年5月22日保発第57号 厚生労働省保険局長通知)

【同意書関係】

(問 5) 同意書でなく診断書でも取り扱いは可能か。

(答) 病名・症状(主訴を含む)及び発病年月日が明記され、保険者において療養費の施術対象の適否の判断ができる診断書であれば、同意書に代えて差し支えないこととしている。(留意事項通知別添1第3章の1)

(問 6)鍼灸とマッサージ、それぞれ別々の疾患で同意書の交付を受けたが、両方とも算定は可能か。

(答) 同一病名または症例でなく、それぞれ施術を行った場合はそれぞれ要件を満たせば算定可能である。

(問 7) 施術継続中の患者の保険者に変更があった場合、新たに同意書を再発行して貰わなければならないのか。

(答) 被保険者又は変更後の保険者が同意書の写しを変更前の保険者に請求した場合には、請求を受けた変更前の保険者は速やかに交付しなければならないこととしているので、患者が保険医に同意書の再発行を依頼する必要はない。(留意事項通知別添1第8章の4)

(問 8) 再同意を得る場合、必ず医師の診察が必要か。

(答) 医師の判断により診察を必要とせず再同意が与えられる場合もあり得るが、医師が再同意を与える際に診察が必要と判断された場合等は、その指示に従っていただきたい。

なお、施術者が患者に代わって再同意の確認をしても差し支えないこととしているので、この場合も同様に取り扱われたい。(留意事項通知別添1第3章の4)

(問 9)整形外科医以外の医師の同意書は有効か。また、歯科医師の同意書は有効か。

(答) 「同意を求める医師は、原則として当該疾病にかかる主治の医師とすること。」とされており、整形外科医に限定したものではなく、現に治療を受けている医師から得ることを原則としている。なお、歯科医師の同意書は認められない。(留意事項通知別添1第3章の7)

(問10) 複数の医師が勤務する病院より同意書の発行を受け、その後再同意の時に担当医が変更となった場合、新たに同意書の発行は必要か。

(答) 同意書を発行した前任の医師から患者を引き継いだ担当の医師であれば、新たに同意書の発行の必要はなく、引き続きその医師より同意を得ればよい。

(問11) 施術を中止し、しばらくして再開する場合の同意の取り扱いは如何か。

(答) 療養費の支給可能期間(初療の日が月の15日以前の場合は当該月の翌々月の末日とし、初療の日が月の16日以降の場合は当該月の3カ月後の月の末日とする。)内であれば、当該同意書において再開は可能である。(留意事項通知別添1第8章の5)

(問12) 同意書に加療期間の記載がない場合、いつまで継続できるのか。

(答) 加療期間の記載がない場合は、初療の日から3ケ月(初療の日が月の15日以前の場合は当該月の翌々月の末日とし、初療の日が月の16日以降の場合は当該月の3カ月後の月の末日とする。)としている。(留意事項通知別添1第5章の1)

(問13) 初療日より長期間に及んで再同意が行われている場合、その同意はいつまで有効か。

(答) 実際に医師から同意を得ていれば、その都度支給可能期間を延長して差し支えない。ただし、他の疾病が考えられる場合には患者に医師の診察を促すことが望ましい。(留意事項通知別添1第3章の4)

(問14)同意書に2つ以上の病名に印がついているが、療養費を支給できるのは一施術料のみなのか。

(答) 病名数に関係なく、一施術料のみの療養費を支給できることとなっている。(留意事項通知別添1第5章の5)

(問15) 再同意を得るにはどのような方法があるか。

(答) 再同意を得る方法について特に決まったものはないが、電話や口頭による確認でも差し支えないこととしている。(留意事項通知別添1第3章の4)

(問16) 同意日から何日で施術開始するのが望ましいか?

(答) 施術の必要があるために同意していることから、同意が行われた後すみやかに開始するのが適当である。(2週間以内が望ましい。)

(問17) 医師の同意書作成から1カ月以上経過して施術を開始した場合、同意書の有効期間はどのように取り扱ったらよいか。

(答) 同意を受けてから施術が行われるまで相当の期間(1ヶ月以上)が開いている場合は、「初療の日」を同意書の起算日とするのではなく、「同意書作成日」を同意書の起算日とすることが適当である。

(問18)保険医療養担当規則第十七条で、「保険医は、患者の疾病又は負傷が自己の専門外にわたるものであるという理由によって、みだりに、施術業者の施術を受けさせることに同意を与えてはならない。」とは具体的のどのような事を指し示すのか。

 (答) 医師が専門外である事を理由に診察を行わずに同意を行なう、いわゆる無診察同意を禁じたものである。医師の診察の上で適切に同意書の交付を行う事が求められる。

(問19)鍼灸の同意は保険医療機関での一定期間の治療を行った後になされるべきものか。

(答) 医師の適切な診断を受け同意を受けたものであれば、治療の先行が条件とはならない。(留意事項通知別添1第2章の2)

(問20)同意を行った医師は施術結果に対しても責任を負うものか。

(答) 同意した医師は施術に対する同意を行うものであり、施術結果に対して責任を負うものではない。

【往療料関係】

(問21)「歩行困難等、真に安静を必要とするやむを得ない理由等」とは、どのような理由を指すのか。

(答) 疾病や負傷のため自宅で静養している場合等、外出等が制限されている状況をいうものであり、例えば、循環器系疾患のため在宅療養中で医師の指示等により外出等が制限されている場合に認められる。したがって、単に施術所に赴くことが面倒である等の自己都合による理由は療養費支給の対象とならない。

また、全盲の患者や認知症の患者等、歩行は可能であっても、患者自身での行動が著しく制限されるような場合は、保険者等において通所できない状況等を個々に判断されたい。(留意事項通知別添1第6章の1)

(問22) 公民館等に患者を集めてそこに赴き施術した場合、往療料は算定できるか。

(答) 往療は、施術所に出向けない特段の理由のある者に対して実施するものであり、患者を公民館等に集めている場合は、往療料は算定できない。(留意事項通知別添1第6章の1)

(問23) 病院の入院患者に往療はできるのか。

(答) 保険医療機関に入院中の患者に対し、当該医療機関に往療した場合、患者が施術所に出向いてきた場合のいずれであっても療養費の支給はできない。(留意事項通知別添1第5章の4)

(問24)「定期的若しくは計画的に患家に赴いて施術を行った場合には、支給できないこと」の「定期的若しくは計画的」とは、どのようなものを指すのか。

(問24)は、平成28年10月1日からの適用を除外します。

(問25) 往療の距離の算定において、「直線距離による支給が実態に比べ著しく不合理と考えられる場合は、合理的な方法により算出した距離によって差し支えないこと。」とあるが、「直線距離による支給が実態に比べ著しく不合理と考えられる場合」とは、どのような状態を指すのか。

(答) 施術所の所在地から患家の所在地までの間に大きく迂回しなければならない場所や難所がある場合等、直線距離により算定することが著しく不合理であることをいい、例えば、離島に出向いて施術を行う場合の往療料を直線距離で算定した場合、直線距離と実行程距離(船着き場を経由して離島へ到着するまでの距離)の間に大きな差が生じるため、このような場合は、保険者判断として実行程の算定も可とするものである。(留意事項通知別添1第6章の4)

(問26) 往療の直線上の測定はどのような方法で行うのか。

(答) 往療の直線上の距離については、地図上で縮尺率を基に計測する方法が一般的に多く用いられている。(留意事項通知別添1第6章の4)

(問27) 片道16kmを超える往療は、往療を必要とする絶対的な理由が必要であるが、「絶対的な理由」とは、どのような理由を指すのか。

(答)「絶対的な理由」の例としては、患家の所在地から片道16km以内に保険医療機関や施術所が存在せず、当該患家の所在地に最も近い施術所からの往療を受けざるを得ない事情が存在するなどがあげられる。(留意事項通知別添1第6章の5)

(問28) 往療の距離の起点は施術所の所在地でよいか。

(答) 往療を行った際の起点は施術所の所在地とするが、施術所を有さない施術者については、保健所等に届出されている住所地を起点としている。(留意事項通知別添1第6章の4)

(問29)片道16kmを超える往療で、絶対的な理由が乏しく、往療料が算定できない場合、施術料については算定できるのか。

(答) 施術料も算定できない。

(問30) 同一家屋内で複数の患者を施術した場合の往療料の考え方は如何か。

(問30)は、平成28年10月1日からの適用を除外します。

(問31) 同一家屋に複数の施術者が同時に訪問した場合の往療料については、それぞれ施術者ごとに算定できるのか。

(問31)は、平成28年10月1日からの適用を除外します。

(問32) 施術者が事前に施術を行う日を患者に伝えて患者の了承を得られた場合、往療料は算定できるのか。

(答) 往療料は、歩行困難等、真に安静を必要とするやむを得ない理由により通所して治療を受けることが困難な場合に、患家の求めに応じて患家に赴き施術を行った場合に支給できるものであり、そのような往療の認められる対象患家の求めに応じ事前に施術日の日程調整をして赴かなければならない個別の状況があると認められるのであれば往療料の算定は可能である。

(問33) 医療機関等へ付き添い等の補助を受けて通院している場合、また、歩行が不自由であるためタクシー等を使用して通院している場合等の状況において、はりきゅうに係る往療料は算定できるのか。

(答)「独歩(公共交通機関等の利用を含む)による通所」が可能であるか否か等を勘案し、個別に判断されたい。事例のケースをもって一律に施術所に通所可能又は通所不可として取り扱うのは適切ではない。

平成28年10月1日より適用する「往療料関連の新規疑義解釈」

(問 1) 平成28年10月1日からの留意事項の改正で、往療料の支給要件の一つである、治療上真に必要があると認められる場合中に、「定期的・計画的に行う場合を含む。」ことが明記されたが、取扱いに変更があったのか。

(答) 従前から、往療料は、①通所して治療を受けることが困難であること、②患家の求めがあること、③治療上真に必要があること、の3つの要件を満たしている場合に支給できるものとされており、通所して治療を受けることが困難な患者に対して、患家の求めがあって、治療上真に必要があると認められる場合に定期的・計画的に行う往療については、これまでも往療料の支給対象としていたところである。今回の改正は、留意事項にこれを明記することで、この取扱いを改めて明確にしたものである。また、治療上真に必要があると認められない場合の往療や、単に患家の求めに応じた場合の往療、患家の求めによらず定期的・計画的に行う場合の往療については、往療料の支給対象外であることを明確にし、併せて周知することとしたものであり、これにより従前の取扱いに変更があったわけではない。(留意事項通知別添1第6章の2)

(問 2) 「治療上真に必要があると認められない場合」とは、どのような場合を指すのか。

(答) 「治療上真に必要があると認められない場合」とは、例えば、定期的・計画的に往療を行う必要がない患者であるにもかかわらず、往療を定期的・計画的に行う場合等をいう。定期的・計画的に往療を行う必要があるかどうかの判断は、患者の症例が、他職種とも連携しながら、定期的・計画的に往療を行うことが望ましい症例であるか否か等を勘案し、個別に判断されたい。

(留意事項通知別添1第6章の2)

(問 3) 同一の建物に居住する複数の患者を同一日に施術した場合の往療料の考え方は如何か。

(答) 同一の建物内に居住する複数の患者を同一日に施術した場合の往療料は、原則として別々に算定するのではなく、1人分の往療料のみが算定できることとしている。(最初から按分して算定することはできないものである。)(留意事項通知別添1第6章の6)

(問 4) 同一の建物に午前と午後等、2回以上に分けて赴き患者を施術した場合、それぞれの訪問に対して1人分の往療料を算定できるのか。

(答) 患家の求めに応じて往療を行った後、その建物に居住する患者から、急な往療の求めがあり、治療上真に必要があって、再度同一の建物に赴いて施術した場合や、患者側のやむを得ない理由等により、同一の建物に複数回赴いて施術した場合など、同一建物への複数回の訪問がやむを得ないものと認められる場合は、それぞれの訪問に対して1人分の往療料を算定して差し支えない。単に施術者側の都合で2回以上に分けて訪問した場合などについては、訪問回数にかかわらず、同一建物について1人分の往療料しか算定できない。(留意事項通知別添1第6章の6)

(問 5) 同一の建物において、複数の施術者が同時に訪問した場合の往療料については、それぞれ施術者ごとに算定できるのか。

(答) 患者側のやむを得ない理由等により、同一の建物において、複数の患者をそれぞれ複数の施術者が施術を行った場合の往療料は、それぞれの施術者ごとに算定可能である。

(留意事項通知別添1第6章の6)

(問 6) 同一敷地内又は隣接地に棟が異なる建物が集まったマンション群や公団住宅等の場合の同一建物の考え方は如何か。

(答) それぞれの棟ごとに、別の建物として取り扱う。(留意事項通知別添1第6章の6)

(問 7) 外観上明らかに別の建物であるが、渡り廊下で繫がっている場合、同一の建物として取り扱うのか。

(答) 外観上明らかに別の建物であり、それぞれの建物が渡り廊下のみで繫がっているような場合は、それぞれ別の建物として取り扱う。(留意事項通知別添1第6章の6)

事務通達 平成29年2月28日

【通則関係】

(問1) 法律上、療養費については保険者が認めた場合に支給することができるものとされているが、一方で療養費の取扱いに係る各種の通知等が発出されている。法律の規定とこれらの通知等との関係はどのように考えたらよいか。

(答) 療養費の支給の可否を決定するのは保険者であるため、支給決定に当たっての最終的な判断は保険者に委ねられているが、療養費の支給は療養の給付の補完的役割を果たすものであり、保険者ごとにその取扱いにおいて差異が生じないよう、取扱い指針としての支給基準等を国が通知等により定めているところである。その趣旨をご理解いただいた上で、通知等に沿った適切な取扱いを行っていただきたい。

(問2)「施術者に対しては、本留意事項の周知を図り、連携して円滑な運用に努めること」とあるが、具体的にはどのようなことか。

(答)例えば、講習会等の場で留意事項についての周知を図り、施術者に対して、患者の施術前に療養費制度の趣旨やルールについて説明してもらうようにすることなどが考えられる。なお、講習会等の実施に当たっては、必要に応じて施術者団体等に協力を求めるなど円滑な実施に努められたい。(「はり師、きゅう師及びあん摩・マッサージ・指圧師の施術に係る療養費の支給の留意事項等について」(平成16年10月1日保医発第1001002号。以下「留意事項通知」という。)別添1第1章の3)

(問3)「請求のあった療養費は、適正な支給を確保しつつ速やかに支給決定するよう努めること」とあるが、「速やか」とは、具体的にどのくらいの期間を指すか。

(答)具体的に「何日以内」と確定的に期限を示すものではないが、可能な限り速く支給決定するよう保険者に対して求めたものである。(留意事項通知別添1第1章の4)

【医師の同意関係】

(問4)療養費支給申請書には、毎回同意書の写しを添付する必要があるか。

(答)療養費の支給が可能とされる期間内における2回目以降の請求にあっては、その添付を省略して差し支えない。(留意事項通知別添1第3章の3、第5章の1)

(問5)支給申請書に記載する再同意の日付については、いつの日付を記載するのか。

(答) 再同意の日付については、実際に医師が再同意を行った年月日を記載する。 (留意事項通知別添1)

(問6)初回に取得した同意書に基づく支給可能期間が終了した後、一定日数経過後に医師の再同意があった場合には、改めて同意書を添付することが必要か。

(答)支給可能期間終了後、再同意取得までの間の施術に対する療養費の支給は当然認められないが、支給申請書に再同意に関する記載が適切になされており、再同意日以降の施術が前回療養費の支給対象とした施術から継続して行われているものと客観的に認められると保険者が判断した場合は、再同意書の添付がなくても再同意日以降の施術に対する療養費を支給して差し支えない。(留意事項通知別添1第3章の4、第5章の1)

(問7)同意書の様式について、保険者の判断により項目を追加することは可能か。

(答)必要に応じて保険者において基準として掲げた項目以外の項目を追加することは差し支えないが、あくまで支給の可否を判断するうえで必要な項目に留めるべきであり、また医師が回答できる範囲とすべきである。なお、保険者独自の様式を使用しないことのみをもって不支給とすることや返戻を行うべきではない。(留意事項通知別添1第3章の5、別紙1)

(問8)保険者が同意医師に対して行う照会等について、6疾病(神経痛、リウマチ、頸腕症候群、五十肩、腰痛症及び頸椎捻挫後遺症)に対するものと6疾病以外の疾病に対するものとで、その取扱いに違いはあるか。

(答)6疾病以外の疾病については、保険医より同意書の交付を受けて行われた施術であっても、同意書の記載内容等から、保険者が改めて慢性的な疼痛を主症とするものかどうか、医師による適当な治療手段のないものであるかどうかといった支給要件を個別に判断し、支給の適否を決定することとされている。
一方、6疾病については、その傷病名から慢性的な疼痛を主症とすることが明らかであり、かつ施術による効果が期待できる疾病であることから、保険医より同意書の交付を受けて行われた施術であれば、医師による適当な治療手段のないものとして療養費の支給対象として差し支えないこととされている。
なお、6疾病以外の疾病・6疾病ともに、治療の先行(一定期間の治療の有無)については、要件とされていないところである。
6疾病に対するものと6疾病以外に対するものとでは、上記のとおりその取扱いに違いがあるため、審査上の必要があって照会等を行う場合には、当該同意書発行の趣旨を踏まえ、適切な照会等の内容とするよう配慮されたい。再同意があった場合も同様である。
また、鍼灸の施術に係る医師の同意は、鍼灸の施術の適否や必要性について同意するものではないことに留意し、その趣旨を逸脱した照会等の内容とならないよう努められたい。(留意事項通知別添1第2章の1、第2章の2、第2章の3、第3章の5、第3章の6、別紙1)

(問9) 「保険者が同意医師に対し行う照会等は、必要に応じて行われるべきものであること」とあるが、具体的にはどのようなことか。

(答)例えば、療養費の適正給付のために保険者が同意内容を確認する必要がある場合や、6疾病以外の疾病に対して同意書が交付された場合において保険者が支給要件を個別に判断する必要がある場合を指す。(留意事項通知別添1第3章の6)

【療養費の算定関係】

(問10)「同一疾病にかかる療養の給付(診察・検査及び療養費同意書交付を除く。)との併用」とは、どのようなことを指すのか。

(答)同意を受けて施術が行われた疾病と同一の疾病に対して処置や投薬が行われた場合をいう。(留意事項通知別添1第5章の2)

(問11)投薬に関して同意書に記載された病名以外の病名で痛み止め等が処方されている場合、鍼灸の施術に係る療養費を支給してよいか。

(答)痛み止めや湿布薬等が医療機関から処方されている場合は、患者本人、あるいは処方した医師に投薬の目的が同意書に記載された病名に対するものかどうかを確認し、当該病名以外の病名に対するものであることが確認できれば、支給して差し支えない。(留意事項通知別添1第5章の2)

(問12)療養費の支給にあたり患者への照会を行うことは差し支えないか。

(答)療養費の支給の可否にかかる判断に疑義が生じた場合等、必要に応じて患者に対して照会等を行い、療養費の適正な支給を行うよう努められたい。ただし、患者照会等にあたっては、支給決定がいたずらに遅れることがないよう、審査上、不必要な事項についての照会や患者や施術者にとって過度の負担となるような内容での照会は避けるなどの配慮をされたい。(健康保険法第59条・国民健康保険法第66条・高齢者の医療の確保に関する法律第60条、留意事項通知別添1第1章の4、第5章の3)

【往療料関連】

(問13)特別養護老人ホーム等の施設に赴いた場合に往療料は算定できるか。

(答)特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、ケアハウス、グループホーム等の施設に入所している患者に対する往療に関しては、往療料の支給基準を満たす患者であれば、算定して差し支えない。老人保健施設、介護療養型医療施設に往療を行った場合は往療料のみならず、施術料も算定できない。(留意事項通知別添1第6章の6)

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